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病気を背負いつつ

2022年10月4日、今回は雨にも負けず新しい方3名を加えて8名で行いました。

 

テーマは「自分の病気が治るとは」。

 

マ・カタリーナは目標がはっきりしています。「鬱状態の苦しさを体験者同士で語り合う」ことです。ですので普通の会話ではありえないことですが、いきなり自己紹介で自分のしんどい部分を話し始めます。「嫌な方はパスしてもいいです」と声を掛けますが、みなさん自然に自分のことを語られます。それだけ自分の話をオープンにできる場所がないのですね。そんなときマ・カタリーナのような当事者会の必要性を感じます。ぜひ一度お越しください。

 

今日のテーマは「病気が治るとは」です。誰でも少しは、できることなら病気になる前の「元気な」自分に戻りたい、と思います。あの頃は体もよく動いて、心も自由で、恋愛もできて、自信を持って働けていた。あの頃に戻りたい、と。

 

でも知っています。それは現実的ではない、と。この病気は簡単に治らない。だからしんどく、暗く、絶望してしまうのだ、と。では病気の自分はどうなっていけばいいんだろう。どうなりたいんだろう。少し言葉にしにくいテーマですが、自分と向き合うきっかけとなるテーマです。今回の印象的な言葉で言えば、どうなれば「病気は個性」だと受け入れられるのか、となるでしょうか。

 

私は双極性障害ですので、あまり「元気になるすぎる」ことは躁状態になることですから、それは「病気が悪化することです。治療目標は躁と鬱の波の幅を小さくしていくこと、です。(ここに至るまでに何度も何度も躁状態が理想の自分だと思って病気の波に乗っかってしまい、そのあと深い鬱状態に苦しむ悪循環に陥っていました……) だから自分の病気が治るとは、とてもつまんないことなのですが、波の揺れ幅が小さくなって、最低限でもいい、働き続けて、再発も入院もせず、日常生活を続けることです。高揚も、感激も、激しい刺激も、楽しいことも抑えながら、絶望と疲弊と鬱に陥らないようにする。世間一般の人からすれば、本当につまらなく退屈な人生に聞こえますが、この小さな願いが叶うように日々生活しています。切実な願いです。

 

今回印象に残った言葉に「治るとは、自分を見つめてほんとうの自分になること」というものがありました。そのためにカウンセリングが役に立つ、と。そこからはみなさんのカウンセリングや、カウンセラーとの相性などについての話が盛り上がりました。

 

精神病はしんどいことです。できれば無いに越したことはありません。でも治らない病気を背負うことになった自分は、これからどうなっていけばいいのか。どうなりたいと願うのか。そのために誰かと対話しながら、「ほんとうの」自分に成っていけばよいのかもしれません。

 

「ほんとうの自分」は過去の自分でも、理想の自分でも、社会一般の自分でもなく、病気を背負ってこれから成っていく自分なのですから。ほんとうの自分はまだ無いのかもしれません。次回114()13時、お会いできることを楽しみにしています。