主治医は魔法使いではない

 5月4日(土)分かち合いを行いました。参加者は18名。今回は「医療者との付き合い方」をテーマとして分かち合いを行いました。

ほとんどの症状が数値化、画像化できない精神科医療においては、医療者特に主治医との関係性が治療に直結します。分かち合いを企画した段階では主治医への不満等マイナスな意見が多く聞かれるのではないかと想像していましたが、思いのほか、今の主治医は話をよく聞いてくれる、闇雲に薬を増やさないところがよい等、プラスの意見が多く聞かれました。

 分かち合いの中で、「患者はなんだかんだと主治医に注文をつけるけれども、考えてみれば医者って大変な職業ですよね」という意見が出され、その場にいた参加者が深く同意する場面がありました。考えてみれば医者もわたしたちと同じ人間なのですね。わたしたちはもしかすると、知らず知らずのうちに、医者は患者の辛さを分かって当たり前、ぴたりと合う薬をすぐに処方できて当たり前という幻想を抱いているのかもしれません。医者は決して魔法使いではないのですから、一回一回の診察での出会いを積み重ねながら、私たち患者の側から、もっと積極的に自分の思いを伝える努力をし、主治医の意見を聞く姿勢を持ちたいと感じました。

治療は主治医と患者の二人三脚。諦めず、じっくりと腰を据えて主治医との関係を確立していくこと、その過程がともすれば治療そのものとなっていくのではないかと思い直した分かち合いでした。 パウラ